愛犬のおやつ、その効能


昨今、多くのペットショップなどでイヌのおやつがたくさん販売されています。ところでイヌの“おやつ”にはどのような意味があるのでしょうか。

人間にとってのおやつは“嗜好品”、つまり栄養やカロリー補給よりも、摂取時の味覚や臭覚、満足感や高揚感を目的とした場合が多いでしょう。しかし、愛犬にとっては少し違います。

イヌの“おやつ”の目的の1つは、主食に足りない栄養素などを補うサプリとして摂取があります。

そしてもう1つが、飼い主とのコミュニケーションツールとしての活用法があります。それは、躾に用いる重要なアイテムとしての役割があるのです。

「スワレ」「マテ」「フセ」「コイ」などを教えるとき、おやつを活用できます。

躾は、愛犬に強制的にやらせても逆効果になります。よく“飴と鞭”などといいますが、ムチよりはアメを上手に使った方が効果的なのです。

愛犬の好きなおやつを利用して、愛犬がその好物を手に入れるための行動を引き出して、それを繰り返すことで“条件付け”を行う訓練方法です。

“行動”と“ご褒美(この場合は褒めることとおやつを与えること)”を結びつけることが目的です。

“ご褒美”は褒めるだけでもいいですが、おやつを利用することによって、訓練が愛犬にとって楽しく面白いものになり、飼い主も取り組みやすくなります。おやつというアイテムがあるので、愛犬の反応も早くなり、理解力を高めることができます。さらに、飼い主と愛犬との絆もより深まるものとなります。

おやつを与えることと、飼い主が褒めることを同時に行うことで、やがて褒めるだけの“ご褒美”でも躾が成功するようになります。

イヌの主食はあくまで食餌(ドッグフード)です。“おやつ”は躾の際のご褒美です。1回の量は少なく、でもイヌにご褒美と分かるように与えることが大切です。

そうすれば愛犬自身ごちそうをもらえる理由を認識できるので、ごちそうをもらえたことによる嗜好性の変化や食餌を食べなくなるといった問題も避けることができるでしょう。(R)

参考文献:犬のしつけと訓練法 藤井聡著

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