愛犬の健康診断
動物医療の進歩や飼い主の意識の向上、飼養環境の変化に伴って、愛犬の寿命も延びています。
イヌの寿命は小型犬・中型犬で12〜15年、大型犬で10年ほどといわれています。
愛犬が高齢になっても健康で、飼い主と快適に楽しく暮らすためには、私たち獣医師の役割が大きいのはもちろんのこと、飼い主さんの家庭での健康管理も重要な意味を持つことになります。
イヌ(動物)は話すことができません。自覚症状があっても伝えることができません。愛犬の健康管理には、一番身近で生活をしている飼い主さんが犬の異常に気づいてあげることが大切です。
しかし、イヌは我慢強いので、異常があってもSOSを発信せず、ギリギリまで平静を装っていることがあり飼い主が愛犬の異常になかなか気付けないこともしばしばあります。
そのため、動物病院で定期的に健康診断を受けて、愛犬の病気の早期発見に努めることが必要でしょう。
では、いつ、どんな検査をしたらよいのでしょうか。
健康診断をする時期や回数はそのイヌのライフステージ(年齢)や環境によって異なります。
イヌは人間に比べると、とても早く成長します。成長のスピードは小型犬・中型犬・大型犬によって異なり、一般的に小型犬・中型犬は成犬になるまでの成長が早くが老化が遅く、一方、大型犬は成犬までの成長は遅いが老化が早いといわれています。
また、イヌの加齢のスピードは人間の4倍といわれます。一般的に、最初の1年で20歳に、以後は1年で4歳ずつ齢を重ねていきます(前述の通り、小型犬・中型犬・大型犬で違いがありますが)。
つまり、人間にとっての3カ月はイヌにとっての1年に相当します。したがって、成犬は半年に1回(これは人間では2年に1回に相当)、理想を言えば3カ月に1回(人間相当1年に1回)のペースで健康診断を行うとよいでしょう。
ただし、検査といっても大げさなものではなく、問診・聴診・視診・触診程度で充分で、年に1回くらいは詳しく血液検査などを行うとよいでしょう。
ところで、老化は小型犬・中型犬で7歳頃から、大型犬では5〜6歳頃から始まるといわれています。高齢になると、いろいろな行動の変化が加齢によるものか、それとも病気によるものかを早期に見極めることが必要となります。したがって上記の年齢に達したあとは、3カ月に1回の健診が理想的です。
逆に子犬の時期は、生後半年くらいまではワクチン接種などで何回も動物病院に行くことがあるので、その際に行えばよいでしょう。
検査の内容は、その犬の持病の有無、犬の状態・環境によってさまざまです。
かかりつけの獣医師と相談して決めるとよいでしょう。そしてなにより、安心して相談のできるホームドクターと出会うことが大切ですね。(R)
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