14歳ラブラドールレトリバー 口腔内メラノーマ(悪性黒色腫)と診断、西洋医療に加え漢方、レーザー( キセノン光)治療、オゾン注腸・オゾンクリーム治療をおこなっています

施設診療(横浜ワンコット)での診療です。
14歳ラブラドールレトリバーメス
昨年春に口腔内(口の中)に腫瘍ができて検査をしたところ、メラノーマ(悪性黒色腫)と診断をされました。高齢であること・転移も進んでいたため、外科的手術や抗がん剤治療放射線治療はしないと飼い主さんが決められました。

犬の口腔内メラノーマは、犬でよくみられる口腔内悪性腫瘍のひとつで、極めて悪性度が高く進行が早いがんです。くちびる(口唇)、舌、歯肉、あごにできることが多く、口の奥にできる場合は見つけにくい病気です。初診時にはすでに進行した状態になっていることも多く、腫瘍が口腔内の多くの部分にできていることもあります。
「口臭がひどくなった」
「よだれ(流延)がひどくなった」
「口から出血している」
「食事が食べにくい、食欲が低下した」
などの症状で飼い主さんが気づいて受診される場合があります。

治療は、主に外科的に摘出することですが、正常な部分も含めて広範囲に切除する必要があり、場合によってはあごの骨ごと切除することもあります。

余命半年と、かかりつけ医師に宣告され、穏やかに余生を過ごせないかと相談をいただきました。

当時、飼い主さんが一番気にされていたのが口臭と流延で、自壊していてそれが強い臭いになっていました。洗浄してオゾンクリームを塗るというケアをすすめ、ご自宅でも実践してくださり、臭いも徐々に取れ、治療範囲を増やしていきました。

次に、体表面の腫瘤に対して効果が見られると言われるキセノン光のレーザー治療で、自壊してしまった腫瘍の増殖を落ちつかせる治療を行いました。
免疫力を高める漢方の投薬やオゾン注腸治療もしています。

腫瘍の増大を抑えられまもなく1年半が過ぎます。

今は週2回キセノン光治療と、オゾン注腸治療も毎週行っています。
余命宣告から体重と食欲も変わらず維持できています。

元盲導犬のリタイヤ犬ということもあり性格はとても穏やかで、治療にも協力してくれます。治療が始まると寝てしまうくらいで助かっています。
病気がわかった当初は、飼い主さんもどうしていいかわからないとおっしゃっていましたが、今はQOLが高い生活ができ、病気と上手に共存できていることで安心されています。
苦痛なく、穏やかな日々が送れることを目標にしています。

口腔内にできた腫瘍は大きくなることで、食べたいけれど食べられないことにもなり、動物にとってとてもつらいことです。
自分で好きなもの食べて生きていられることが生命を維持するうえで重要なことです。

口臭やよだれ、出血、食欲がないなどの症状や、口の中の臭いやできものが無いかなど口の中の変化を常にチェックして、気になったら早めに相談することをオススメします。

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