注射は痛い!?


愛犬の治療で注射を打つとき、愛犬が激しく鳴いて驚いたことはありませんか。愛犬が暴れてしまって、治療が進まなくなって困っことはありませんか。

「痛いからかわいそうで、注射はもうイヤ!」と思ったことはないでしょうか。

ところで、注射のときに愛犬はなぜ「キャン!」と鳴くのでしょうか。それは痛みせいだけなのでしょうか。そして、「注射をしない」という選択肢は、愛犬にとってよいことなのでしょうか。

イヌの痛覚(痛みを感じる感覚)は、人間のそれよりも鈍いといわれています。軽いケガや虫刺されなどに敏感すぎると、野生では生きていけません。だから犬は痛みを感じる受容器が少なく、鈍くなっているのです。

つまり、注射のときの「キャン!」の原因は、注射による“痛み”よりも、身体を抑えつけられることへの恐怖や、何をされるのかわからないという不安の方が大きいのです。

では、そうした愛犬の不安を軽減するにはどうしたらよいのでしょうか。

飼い主さんの愛犬への接し方で、愛犬の不安は大きく変わります。

イヌはほかのコンパニオン・アニマル(ペット)と比べて、飼い主の感情を読み取ることに敏感です。動物心理学者や行動心理学者の研究者の中には、イヌとチンパンジーを比較した場合、知能指数(IQ)はチンパンジーの方が高いだろうが、飼い主の感情を読み取る力(EQ)はイヌの方が高いと主張する人たちもいます。

イヌは長い歴史のなかで、飼い主の指示を受けて生きてきました。診察室でも、愛犬は飼い主さんの感情を読み取っています。

人間の子どもも、お母さんが側で「大丈夫だよ」と励ますことで、痛い注射を我慢することができますよね。愛犬も同じです。

もちろん「注射をしない」という選択肢もありますが、場合によってはそのために治療が長引いたり、二次疾患を招くこともあり、結果的には愛犬の身体的負担が増える場合があります。

痛みを伴う治療の際にも、飼い主さんが冷静に、毅然とした態度を保つことで、愛犬も安心して治療を受けることができるのです。(R)

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